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今野 弘章
小売部・広報/2006年入社
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土佐岡 洋介
卸部/2006年入社
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宇都宮 秀規
寺院部/2013年入社
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仁田 千裕
小売部/2014年入社
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長田 彩奈
小売部/2015年入社
仏壇店は、想像以上に忙しかった!
こんな風に年齢も部署もバラバラの社員が集まって話すことって、あまりないから新鮮だよね。
みんなは入社前と入社後で会社の印象は変わった?
私は葬儀社からの転職で、三村松は得意先だったんです。
きれいな佇まいで社員もきちんとしている印象でしたが、イメージ通りでしたね。
入社前は、お仏壇ってそんなに売れるのかなと思っていましたが、製造も配達も忙しくてびっくり。
全国にお仏壇を卸す仕事をしているのですが、話す暇もないほど忙しいこともあります。正直、もう少しのんびりしているのかなと思っていました(笑)
私も想像していた以上に多くのお客様が来店されることに驚きました。三村松の接客は、1対1でお客様にお付きしてニーズを伺いながら、提案していくスタイル。慣れるまで少し時間がかかりました。
仏壇店というと、ご年配の方が訪れるイメージを持っていましたが、若い方も多くいらっしゃることに驚きました。
お香好きのお客様が、買い物のついでにふらっと立ち寄られることもあるなんて入社前は思いもよらなかったです。
そうそう、若いお客様も多いよね。入社してみて驚いたのは、社員の個性が強いこと。自分のことを「ワシ」って言うようなコテコテの広島弁を話す人もいるし、キャラが立っている人が多い。
寺院修復の現場ならではの体験も
お念珠の修理も担当していますが、よく分からずに使われている方も多いんです。持って来られた時に「これは○宗のお念珠ですね」とお伝えすると、「若いのによく知っとるね」と言っていただくこともあります。
私も仁田さんと同じ部署ですが、これが正しいという答えがない世界だなって。
お話を伺って、お客様が納得いくものを一緒に探すという感じなので、「ここに来て話して安心した」と言っていただけるとうれしいです。
マニュアル通りの対応ではもちろんダメだし、個人的な想いばかりが立っても足りない。
ある意味、オーダーメードの接客と言えるかもしれないよね。その最たる例が、宇都宮さんがいる寺院部かな。
私はお寺の修復に関わっていますが、お寺にとっては数十年に一度のことで、予算も工事期間もかかります。お客様の想いが強いので、何を優先するのかを一緒に考えていかなくてはいけません。精一杯、寄り添うことが大切だと思っています。
本当に貴重な経験でもあり、大変な仕事でもありますね。
お寺の工事は現場仕事。屋根に上ったり、天井裏に入ったり、はしごの上に立ったり……。
普段は入れない神聖な場所。しかも仏様より高い所に立つというのは、こういう仕事をしていないとできないこと。仏様の目線からお寺を見るなんて、普通ではなかなか体験できないですよね。
知恵を集めた『三村松辞典』を作りたい!
卸部の仕事は、営業、企画、管理、商品点検、梱包、出荷、配送など、いろんな業務に携われるのが楽しいですね。裁量も与えてもらっているので自分のペースで仕事が出来ています。
出張が多いよね。今はどのあたりを回っているんですか?
西九州と山口県。
地域によって歴史や文化が違い、お仏壇の種類やサイズ、お仏具の種類や飾り方も様々です。この世界の奥深いところですよね。各販売店様から人気のあるサイズ、価格、新商品のアイデアなどを頂きながら製造現場へ、新商品へとつなげるのも卸の仕事ですね。
やりがいの一つでもありますよね。
私もお仏壇の納品に同行することがありますが、ご家庭に設置された姿を見ると、何度立ち会っても感慨深いものがあります。
それぞれのご家庭の中で、毎日手を合わせるもの、生活に根付いたものに関わらせていただくというのは、すごいことですよね。
お寺の場合は、5年後・10年後にこうしたいという想いがあったりするので、お寺の状況や情報をつないでいく人が必要です。
社内できちんと継承していくことで工事の仕事を続けて頼んでいただき、長く商売をさせていただけるんです。
継承するといえば、社内の知恵を集めた『三村松辞典』のようなものを作りたいんです。
社員それぞれが仕事を通して蓄積してきた経験があると思うので、それを資料として可視化できたらいいなと。
それいいかも!
お仏壇の仕事は奥の深い世界ですもんね。作り方から売り方、納品の仕方など、知識だけでなく経験に裏打ちされたノウハウも多いので難しいなと思っていたんです。
ガチガチのマニュアルにするのではなくて、社員が自由に閲覧できて共有できるものが作れたらいいなぁ。
今を生きる人達のためのお仏壇を提供
デジタルが発達したからこそ、あえてアナログが重要なんじゃないかと最近よく思うんです。
伝統や歴史は守っていかないといけないし、それができないと、うちの存在意義はなくなってしまう。柔軟性や利便性ばかりに流されない会社でありたいですよね。
皆さんは、これからの三村松についてどう考えていますか?
製造卸は、職人を守るのが使命。金仏壇を作り、職人を守る。それが日本の文化を守ることにもなりますから。
伝統的な金仏壇の製造を維持する一方で、今までになかったサイズや新しいモダンな要素を取り入れた金仏壇、逆に家具調のお仏壇に金仏壇の塗りや蒔絵、彩色といった伝統技術をミックスさせたものなど三村松だからこそ出来る仏壇の製造に力を入れています。日本の文化を守ることが新たな三村松の未来を作っていくことになると思っています。
自分自身、インターネットで買い物をした時はモノ自体には満足しても、なんだか寂しい気がするんです。
それに対して、店員さんが丁寧に接客してくれて買ったものは、満足感も大きく、何年か後に記憶がよみがえることもあります。それが対面販売の強み。
ネット時代になっても、結局は人対人なので、今の販売スタイルは残していきたいですね。
お仏壇やお仏具は生活と一緒にあるものなので、生活様式に合わせて在り方も変わっていくもの。常にアップデートし、その時代にあったものを、お客様のご要望に合わせて提案していかなくていけません。
最近は、場所がない、洋室に合わないから置きたくないっていう方もいらっしゃいますし。
伝統を守ることにこだわりすぎると、今が置き去りになってしまう。
それではダメで、今を生きる人達のためのお仏壇でないといけないよね。
どんな時代にも仏様やご先祖様に手を合わせる瞬間があって、その時間を提供するのがお仏壇店の仕事。
そのためには、形を変えてでも会社を存続していかなくてはいけないと思うし、金仏壇を残していくのは三村松の役目です。お寺も同じで、きれいにして、皆様に足を運んでいただく場所になるよう力を尽くしていきたいです。