三村松のお仏壇づくり

ものづくりは、心づくりから。伝統技術を粋を集めたお仏壇に魂を込めて、私たちの作品は完成します。

全国でも屈指の仏壇産地として知られる広島。江戸時代初期に伝わった金具細工や塗り細工の技術に、京都・大阪のお仏壇の手法を採り入れ、広島仏壇ならではの高度な技術・技法が確立されました。
第二次大戦後、当社は近代的なお仏壇メーカーとして発展を遂げてきましたが、創業以来150年間培われてきた匠(たくみ)の技は、今も脈々と受け継がれています。

厳格な品質管理体制のもと、下地から、塗り、金箔貼り、彩色、組立までの一貫製造体制が敷かれている三村松のお仏壇工場。職人たちの一日は、仏様に手を合わせることから始まります。「南無阿弥陀仏」の称名とともに、姿勢を正し、気持ちを真っ直ぐにして、彼らは新たな気持ちでお仏壇づくりに臨みます。

金箔を貼る時は、常に正座です。偉大な先人たちに対する尊敬と、仏様への畏敬の念をこめて、彼らはお仏壇づくりに打ち込みます。伝統技術の粋を集めたお仏壇に、職人たちの魂を込めて、三村松の「作品」は完成します。


広島工場 製造部 桑原 弘明
桑原弘明は、お仏壇づくりの有能技術者として広島県知事から表彰を受けました。

高い技術と品質を誇るだけでなくそこに込められた心も日本一であり続けたいと思います。

広島仏壇の最大の特徴は、漆塗・純金細工を施した金仏壇であること。「仏教伝来」や「聖人伝」を彫刻で表現するなど、極楽浄土が忠実に表現されたのが広島仏壇なのです。
どんなに品物や技術が優れていても、その品物・技術を伝える私たちに、相応の「心」が備わってなければ、本物の価値は伝わりません。
国内ナンバーワンのお仏壇メーカーの名前と責任に恥じないよう、お仏壇・仏具に込められた「心」も日本一でありたいと思います。

「本物」だけが持つ造形美と輝きがあります

1.木地
厳選された木材を使用し、仏壇の本体にあたるものがつくられます。
仏壇の外回りや内回り、障子、扉などの各部品をサイズに合わせて加工します。
 
2.彫刻
木材に彫刻をほどこし、仏壇の欄間や彫刻部のかざりをつくります。まず、模様を型紙から木におこし、数十種の彫刻刀を巧みに使い分け、彫っていきます。熟達した職人でも仕上げにかなりの日数がかかります。
 
3.塗り
なめらかに磨かれた下地の上に、何度も中塗りを繰り返し、最後に天然漆をヘラを使って塗っていきます。
つややかな光沢の黒漆、木地の木目を生かす透き漆の2種類があります。
 
4.金箔
塗装をほどこし一定時間乾燥させた上に、純金箔を一枚一枚丁寧に貼り込んでいきます。
金箔には純度やつやの違いにより十数種類あります。熟練の職人技が要求される工程です。
 
5.彩色
お仏壇に華やかな彩りを添え、気品と格調を与える作業。
色を加えた瞬間、人や鳳凰、孔雀などの造形が生命を吹き込まれたように浮かび上がってきます。繊細な作業です。
 
6.蒔絵
「蒔絵筆」という特殊な細い筆を使い、絵を描きます。
そして、乾かないうちに純金の金粉を蒔いていきます。
その後、乾かして仕上げます。金粉を蒔くタイミングなどが大変難しく、長年培われた職人の勘、腕が生きる仕事です。
 
7.錺金具
真ちゅうの板に型紙で図面をおこし、何百種もある鏨(たがね)を使って打ち抜き、模様をほどこします。そして用途に応じて金メッキ、銀メッキ、あるいは特殊技法を使って、青、茶、黒等の着色をしてでき上がりです。蝶番(ちょうつがい)や引き出しの取っ手など、仏壇の金具すべてがつくられます。
 
8.組立・仕上げ
各部品を丹念に組み上げます。金具類を取り付け、最後にきれいに磨き上げて作品は完成します。
職人たちの連携作業により、下地から出荷まで、最短約2ヶ月間で完了します。

日本の伝統工芸技術の継承に努めています

広島が誇る伝統工芸のひとつであるお仏壇づくりの技能も、熟練工の高齢化、社会環境の変化とともに、失われようとしていた時期もありました。伝統工芸の持つ価値、そしてものづくりの大切さをいち早く唱え、技能の継承に取り組んできた三村松は、若手職人育成のためのシステムを整備してきました。

目で学ぶ、先輩から技を盗むといった、昔ながらの修行制度はここにはありません。若く、何事も吸収の早い時期に、基礎技能をしっかりと教育し、幅広い実践を通して技能の修得を図っていく仕組みです。
そうした環境によって、30代半ばにして、ベテランと遜色のない技能を修得できるまでに成長しています。年齢は若くとも、技能や心は、一流の職人のものです。

伝統的工芸品 受賞作品一覧  広島仏壇の製造の歴史

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